ラランド・ニシダ『不器用で』紹介・感想 救いを感じる5つの短編集

小説

今回紹介する「不器用で」は、お笑いコンビラランドのニシダさんが描いた5つの短編集です。

お笑い芸人が描いた小説ってどんなお話なんだろう!

というわけで「不器用で」を紹介していきます!

この小説の紹介

この小説は、「不器用」という共通のテーマを持った5つの短編集です、

器用になれないながらも、それぞれのやり方で何かを伝えようとする登場人物のお話です。

なぜこの小説を読もうと思ったか?

友達がこの小説を読んでいて、そこで知りました。

お笑い芸人が描いた小説ってどんなお話なんだろう!という好奇心があったのと、カクヨムというサイトで一部公開されていて、そこで読んで気に入ったから、本屋に行って買いました。

心に響いた箇所

2つ目の短編、「アクアリウム」で、魚釣りをするシーンがあるのですが、そこで主人公の釣り竿に大物がかかります。

主人公はこの細い糸だけでこんな大物を釣ろうとしていることに不安になりますが、向こうは広い海で生きていて、針が口内に刺さって引っ張られていてるのだから、僕なんかよりもっと怖いんだろうと思い、勇気が湧いてきたというシーンが心に残っています。

この短編で主人公は、誰かを見下すことでプライドを保っているのですが、それが魚釣りを通して表しているというところに、なんだかハッとしました。

きっと向こうも怖いんだろう、僕よりも怖いはずだ。広い海で独り生きていて、たった今食事の最中、針が口内に刺さり、引っ張られていてるのだから。そう思うと勇気が湧いた。
引用:アクアリウム

本について何を感じたか?

この小説は、それぞれ繋がりのない5つの短編なのですが、この5つの短編の並び順が良いなと思いました。

1つ目と2つ目の短編、「遺影」「アクアリウム」は、結構暗い話なのですが、そこからだんだん希望に向かっていくような素直になっていくような、そんな構成になっていて、そこに僕は救いを感じました。

だからこそ最後の短編、「濡れ鼠」のラストシーンは、「ああ、よかったなぁ」と思えました。

まとめ

「不器用」という共通したテーマを持った5つの短編集です。

全体的に不器用というのを受け入れてくれるような文章で、読んでいて救われます。

ぜひ、読んでみてください!

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