本記事では、村上春樹著「海辺のカフカ」を、ネタバレ無しであらすじや感想、レビューを紹介していきます。
まずは一言、今作
15歳の少年の成長物語に考えさせられ、大きな影響を受けた
本作の主人公は、15歳の少年の「田村カフカ」です。
彼は世界で一番タフな15歳の少年になろうとしています
この小説は、そんな15歳の少年が、自分の味わったことのない感情に惑わされたり、理由のわからない出来事に巻き込まながらも、それでも強くなろうと成長していく物語です。
あらすじ
とある理由で家出をした15歳の少年「田村カフカ」は、家出した先の四国の図書館で暮らすことになる。
そこで恋をしたり孤独を感じたり自分が15歳であることに絶望したりしながら成長していく…。
魅力
15歳の少年の成長物語
主人公の田村カフカは、全体的に大人っぽいです。
でもやっぱり15歳で、自分の味わったことのない感情に混乱したり、自分のおかれている状況を理解できずに15歳であることを絶望したり、ふとした時に頬が赤くなったり…。
やっぱり少年なんだと思わせるところがあります。
でも、それでもカフカは強くなろうと努力して成長していく、そんな彼の姿にグッと込み上げてくるものがあり、考えさせられます。
そして読み終わった頃にはきっと、「僕も強くなろう」と思っていることでしょう。
私はこの小説を初めて読んだのが14歳のときで、読み終わったあとの影響という点では村上春樹作品で最高傑作です。
田村カフカならどう思うだろう?と考えるようになりました
読んだ前と後では、自分になにかしら変化があると思います。
ナカタさんパートが面白い!
本作では、田村カフカの視点で語られる物語と、主にナカタさんという人物の視点で語られる物語の2つが交互に語られます。
ナカタさんは60代半ばの男性で、知的障害があり、字を読むことができません。
そんなナカタさんが、星野青年というトラック運転手に助けられながら四国へ行こうとするのですが、そのナカタさんと星野青年のやりとりが面白すぎる!
この2人のやりとりを聞きたいがために
ページをめくりました
また、カーネル・サンダースというわけの分からない人物も出てくるのですが、カーネル・サンダースと星野青年とのやりとりもめちゃくちゃ面白いです。
もちろん、田村カフカとナカタさんがどのように結びつくのか、先が気になる展開も必見です。
好きなセリフ
「起こってしまったことというのは、粉々に割れてしまったお皿と同じだ。どんなに手を尽くしても、それはもとどおりにはならない」
この作品のすべてを語っているようなセリフです。
Amazonのレビュー
他の村上作品を知りませんが、カフカは何度も読み直して、その都度感動してます
Amazon
偶然手にする機会があり、作品の名前は知っていたものの初めて読んでみました。
展開が面白く、次はどうなるのだろう?と
読む時間がとても楽しみになる読書体験でした。今 読めてよかったです。カラスとの対話によって、15歳の少年という設定によって心情がわかりやすく、読みやすくなっています。
登場人物たちは孤独ながらそれを受け入れて静かに生きています。
青春時代はとうに過ぎましたが、自らが孤独だと感じているときに読んだので
いくつかの言葉が自分にとってピンポイントな励ましのように感じました。
自分の人生からいなくなった人もどこかで暮らしていて、
さらにすきまなく私の一部となっている‥それに希望を感じました。
作品の中に答えがないことに、不思議と癒されました。
また孤独が痛みであると感じることがあれば読み返したい大切な1冊になりました。
Amazon
村上春樹ならではの、「ふわふわした浮遊感」と「おしゃれ感」が楽しめた。
Amazon
まとめ
この小説は、そんな15歳の少年が、自分の味わったことのない感情に惑わされたり、理由のわからない出来事に巻き込まながらも、それでも強くなろうと成長していく物語です。
カフカのそんな姿に、読み終わった頃にはきっと、「僕も強くなろう」と思っていることでしょう。
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