本記事では、村上春樹著、佐々木マキ絵「羊男のクリスマス」を、ネタバレ無しであらすじや感想、レビューを紹介していきます。
まずは一言、今作
可愛くて読みやすいながらも、村上春樹ワールドを味わえる!
というのもこの作品は村上春樹さんの文章と佐々木マキさん絵の絵本で、ページ数や文章も少なく読みやすい作品です。
でも、村上春樹ワールドを味わえる!
難しそうな印象を持たれがちな村上春樹さんですが、今作からならとても入りやすいと思うので、村上春樹作品入門としてもおすすめです!
そんな今作の魅力や感想を語っていきます。
購入時の参考などにしてもらえれば幸いです!
村上春樹作品の魅力
まず、村上春樹さんの作品の魅力についてご紹介します。
魅力①:心地いい文章
難しそうな印象を持たれがちな村上春樹さんですが、
実は文章のテンポ感がよく、スラスラと読めてしまいます。
また、時折挟まれるユーモアで頭を緩ませてくれ、息継ぎがしやすい文章です。
なので気づいたらすごい時間没頭して読んでいたということも!
しかし決して単調な文章というわけではなく、深くて考えさせられるようなことも書いてきます。
いつの間にか世界観に没頭して、読む手が止まらない!
魅力②:魅力的な登場人物
村上春樹さんの作品には、独自の個性を持った魅力的な登場人物が登場します。
これらのキャラクターは何かしら問題を抱えていて、リアルでありながらもどこか非現実的な魅力を秘めており、読者は彼らと共感し合うことができます。
登場人物たちの心情や葛藤が織り交ぜられたストーリーは、読者を引き込んで離さない要素となっています。
魅力③:先が気になるストーリー
村上春樹さんの小説は、しばしば先が気になる展開が続きます。
彼の独自のストーリーテリングは、読者に予測不可能な驚きや期待感を提供します。複雑で奥深いプロットが展開されつつも、その緻密な構造は一気に物語に引き込まれることを可能にします。
結末が迫るにつれてますます興奮が高まり、読者は次のページをめくる手を止めることなく物語に没頭していくことでしょう。
こんな人におすすめ!
- 読みやすい村上春樹作品を読みたい人
- 村上春樹作品をまだ一度も読んだことなくて、興味がある人
- 村上春樹の初期三部作が好きな人
こんな人にこの小説は、非常に面白い内容になっていると思います!
あらすじ
クリスマスのための音楽を作曲をしてほしいと頼まれた羊男。しかしクリスマスまであと4日になっても、約束した音楽はまだ一小節もできていない。
羊男が作曲できない理由は、聖羊祭日にドーナツを食べた為、呪いをかけられているから。
羊男は呪いを解くため、穴のあいてないねじりドーナツを手に、秘密の穴の底におりていき…
魅力
可愛いイラストと描かれる村上春樹ワールド
今作は絵本です。なので可愛いイラストとともにスラスラと読めてしまいます。
ですが、奇妙で魅力的な登場人物、会話、不思議な世界観など、村上春樹さんらしい要素は散りばめられており、この作品から村上春樹作品に入るのもおすすめです。
聖羊祭日にドーナツを食べた為、呪いをかけられている
というところでもう面白いですね
奇妙で魅力的な登場人物
本作はページ数も文章も少ないですが、それでも村上春樹さんらしく、登場人物は奇妙で魅力的です。
例えば今作ではねじけという頭がねじれていて、弁当として持ってきたねじりドーナツを渡すと、馬鹿にされてると勘違いされて泣き出す、というちょっと笑っちゃうようなキャラクター登場します。
羊男や羊博士、双子の女の子が登場!
村上春樹さんの初期三部作を読んだファンに嬉しいポイントとして、懐かしい羊男や羊博士、双子の女の子が、イラスト付きで登場します。
羊男と羊博士は「羊をめぐる冒険」で、双子の女の子は「1973年のピンボール」で登場した人物です。
懐かしい登場人物が話しているだけで、ファンとしては嬉しいですよね。
Amazonのレビュー
独特の世界観にどんどん引きずり込まれていって私の頭の中は羊=クリスマスになっています。
また出てくるキャラたちも個性たっぷりで、みんな大好きっ!!
絵本で読みやすく挿絵もかわいいvv
クリスマスにぴったりの本ですね。
Amazon
最初に読んだ時はそうでもなかった(、もっと言ってしまうと自身の作品の便乗商法のように思った)けど、今読むと、結構好きだな。
春樹(作品)ファンにしか感じられない部分が多いようにも思うけど、村上さんの作品のエッセンスがさらりとながら散らばっていて、ここから村上ワールドに入るのもいいかも、なんて考えた。
登場人物、穴、性格を表す見た目、偏屈さ、会話・・・。
なにより羊男は、ぐずぐずしたり何かに巻き込まれたりしながら、いつもハッピーを願っていたしね。
Amazon
佐々木マキという人を知ったのはこの本でした。村上春樹にどっぷりと浸かっていたころの事です。あの訳がわからない世界をイラストで見事に、忠実に、ホントにこんな感じだよ!って誰かに言いたくなるくらい見事でした。佐々木マキファンなら、納得がいく!村上春樹ファンなら怪しいキャラたちが生き生きと動き回っているのが嬉しくなります。ちなみに私は”ねじけ”と”羊博士”が好みです。
Amazon
まとめ
今作は村上春樹さんの文章と佐々木マキさん絵の絵本で、ページ数や文章も少なく読みやすい作品ですが、村上春樹らしい要素は散りばめられており、村上春樹入門としてもおすすめな一冊です。
また、懐かしいキャラクターが登場するのもファンとしては嬉しいポイントです。
可愛くてちょっとおかしな、とても楽しい作品です。
村上春樹作品を小説から入りたい方向けに
とはい今作は絵本なので、中には小説から入りたいよ!という方もいるかも知れません。
そんな方は、下の記事をぜひ読んでください。
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