「キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)村上春樹訳」あらすじ・感想【サリンジャー】

本記事では、JDサリンジャー著、村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)」を、ネタバレ無しであらすじや感想、レビューを紹介していきます。

まずは一言、今作は「好き」になりやすい作品だと私は思います。

話し口調で語られる物語青春期の不安や混乱家族への愛など、

親しみやすく、共感しやすく、温かい作品です

それでは、紹介に移りましょう!

あらすじ

学校から退学処分を受けた主人公ホールデンは、学校を出てバーに行ったりホテルに行ったりし、タバコを吸ったりお酒を飲んだりする。

思春期の不安や混乱を感じつつ、いろいろなことにうんざりしながらも、それでも家族や人が好きという気持ちを捨てきれずにいる青春小説。

面白いところ、魅力

親しみやすい話し口調で語られる物語

本作は話し言葉風の文体で物語が語られます。

それがとても親しみやすく、皮肉とユーモアの混じったホールデンの語り口調が面白いです。

読後はしばらくホールデンの口調に

影響を受けているかもしれません

青春期の不安や混乱

思春期らしい感情と行動の矛盾や、プライドの高さなどに共感させられました。

時々心のどこか柔らかい部分に触れて、ホールデンが泣き出してしまうところもよかったです。

時々感じる家族への愛と温かみ

世間に対して「やれやれ」とか言ってうんざりしながらも、兄のDBを尊敬していたり、

弟のアリーや妹のフィービーが大好きだったり

時々そういった家族への愛を感じさせる描写があって、グッときました。

好きなセリフ

ある種のものごとって、ずっと同じままのかたちであるべきなんだよ。大きなガラスケースの中に入れて、そのまま手つかずに保っておけたらいちばんいいんだよ。そういうのが不可能だってよく分かってはいるんだけど、まあ残念なことではあるよね。

Amazonのレビュー

ライ麦畑で…というとなんだか難しいものを読んでいるとアピールにも使えるかもね?という冗談は置いておいて、ホールデン少年が歴史の先生を訪ねたことを後悔する場面とかついつい笑える。鼻を触るふりをして親指でしっかり鼻くそを穿っているのを見ていたり、そういう些細なことについつい気付いてしまうのです。アラフィフでライ麦が面白いか半ば実験的に読み始めたけれどこんなの若者だけに読ませていていてはもったいない!ライ麦題材のテレビ番組の中でサリンジャーの息子さんが語っていたけど、毎ページに父であるサリンジャーの面影があると。サリンジャーは決して田舎に引きこもっていたわけではないようです、世捨て人ではありません。創作活動に集中したいから、どうでもいい雑音から離れて田舎という土地で暮らしていました。自分を持っていたんです。
私はホールデンくんは真っ当で厨二病だと思えません。それは私も彼と同じ側の人間だからかもしれないです。世の中のゴマスリ、嘘、デタラメなんかが透けて見えて辟易するから。マウントとかも含め。
村上氏はライ麦という古典のような文学を現代に持ってきてくれた素晴らしい訳者だと思います。少なくとも1951年というずいぶん昔に書かれたことを気にせずに読めることに感謝しています。
あと、ライ麦を読んでいたジョンレノンを射殺した犯人や大統領を…などと悪のバイブルだと思う人もいるようですが、サリンジャーの息子さんは全面否定していました。ライ麦がそうさせたのではなくそもそもそういう悪の性質があった人物たちがたまたま手に取ったと。賛同します。99.999%の読者はまともでしょう。
1950年代はホールデン少年のように世の中に悪態を吐けるような時代ではなかった中で、こういった壁を破るような小説が登場した事が若者のバイブルといわれたのだと想像します。読んでいたのは若者が多かったかもしれないですが、いろんな年齢や性別や国籍の方々が実際は読んでいます。
理由は笑えるから。読んだことが人生の中で役に立つし為になるから。
今でも毎年75万部づつ新しいライ麦が世界中で売られているそうです。
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村上春樹訳は流石読み易いと感じた。昔から気になっていた本で何十年か後にやっと読め、ほっとしている、
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感想

私はこの作品に、思春期っぽい感情と行動の矛盾とか、プライドの高さとか、そういうことを感じました。

ホールデンは本当は、学校を退学させられたこととか、いろんなことに対してすごく落ち込んでいるのだけれど、「やれやれ」とかなんとか言いながらごまかしているんじゃないかと思って、そういった自分の感じていることをうまく認められず、ごまかしてしまうのがなんだか思春期っぽくて、すごく共感して読めました。

また、ホールデンの語り口調とか、ユーモアとか皮肉とか、読んでいるだけで笑えて面白いです。

個人的に今まで読んできた小説の中で、かなり上位に来るほど好きな作品になりました

 

皆さんも是非読んでみてください。きっと好きになることだと思います

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